香りと犬の認知症 | 犬のアロマセラピー

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Office Guriの諸橋直子です。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター有資格者です。

今日は「老犬の認知症予防や介護に役立つアロマ」をテーマにお話していきます。

香りと認知症のはなし

犬も高齢化社会を迎え、認知症の問題を避けて通ることはできません。

また、こうしたニーズに応え「老犬介護士」の需要も高まってきています。Office Guriが運営するメルマガ「ぐり通信」読者の方の中にも、そうしたお仕事に従事されている方が複数いらっしゃいます。

犬の認知症で最も困るのは、昼夜逆転、夜中に大きな声で鳴き続けて、飼い主さんも神経がすり減ってしまう、と言うパターン。

でももしこれを「香りを嗅ぐ」という穏やかな方法で改善したり、進行を遅らせることができれば犬も飼い主さんも楽になれます。

精油を用いた実験 | 芳香浴で認知機能障害が改善した事例

人間での研究です。アルツハイマー病の患者さんに対し、

<午前中>
・ローズマリーカンファー
・レモン

<夜>
・ラベンダー
・スイートオレンジ

の香りをディフューザーで室内に香らせ、芳香浴をしてもらう実験が行われました。

この結果、65歳以上の高度アルツハイマー病患者さんの認知機能障害の程度に明らかな改善がみられました。(神保ら、2008年)

午前中は交感神経を優位にさせる「ローズマリーカンファー」「レモン」、夜は副交感神経を優位に導く「ラベンダー」「オレンジ」の組み合わせで、自律神経のリズムを整える目的で、精油が選ばれています。

ちなみにローズマリーカンファーに含まれる「カンファー」という成分、分類上は「ケトン類」と呼ばれます。

「ケトン類」は少量であれば去痰作用(たんを出しやすくする働き)など体にメリットをもたらしますが、量が多くなると「神経毒性」をもたらす成分です。

そのため「カンファー」を多く含む精油は、犬の使用には向きません。もし試すなら「レモン」のみを選択しておくのが安全です。

また、人間での実験結果がそのまま犬に当てはまるとも言えません。

しかしながら、香りの刺激が匂いを感じる細胞や、その刺激を受け取る脳の活性化につながれば、認知症の予防や改善につながる可能性があります。

アロマセラピーは薬物療法とは違い「心地よい香りを嗅ぐ」という穏やかで安全な方法です。

アロママッサージで認知症の犬が眠れるようになった事例

実際に、私がHPで配布している「アロママッサージテキスト」を参考に認知症で夜眠らない犬に「だめもと」でラベンダーマッサージを行なってみたところ

「数分のマッサージで犬がすうすう眠り出しました…あっさり寝たので拍子抜けです」

と言うメールも過去、頂戴したことがあります。

*犬のアロママッサージを学ぶ無料テキストはこちらから請求いただけます。

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例えば犬の介護士の方で、お客さんが「犬の痴呆と夜泣き」で困っている場合、
アロママッサージを提案することも可能です。

介護を必要とする飼い主さんは、ゼロからアロマについて学ぶ時間がなかなか取れません。

代わりに専門職である「介護士」の方が、犬のアロマセラピーについてしっかりと学びサービスとして提供することで、お客様に喜んでいただけます。

専門職の方にこそ、アロマセラピーを知ってもらいたい

人間の世界でも、看護師さんがアロマセラピーの資格を取り、患者さんの心の安定、痛みのケアに上手にアロマセラピーを利用する機会が増えています。

人間の世界では、そうした様々なサービス、選択の幅が広がっていますが犬の場合はどうでしょうか?

残念ながら「アロマセラピー」という、犬も飼い主さんも楽になれる、犬への負担の少ない方法があること自体が、あまり知られていません。

犬に接する専門職の方にこそ、「アロマセラピー」を身近に感じその良さを知っていただければ幸いです。

この記事で登場した精油の解説はこちら

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