香りで犬を健康に | ストレス × 免疫 × ラベンダーに関する研究の紹介

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Office Guriの諸橋直子です。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター有資格者です。

今回は「ストレス × 免疫 × ラベンダー」について行われたアロマセラピーの研究について紹介しようと思います。

ラベンダーのマッサージで免疫を担う「NK細胞」が活性化した話

経験的に私たちは「良い香りを嗅ぐと、気分が良くなる。リラックスできる」と知っています。

こうした香りの特性を生かして心と体のセルフケアに使えるのが「アロマセラピー」です。

一方で、「香りを嗅ぐだけで、健康になる助けになるって本当なの?」と懐疑的な考えもあります。

私たちが経験的に知っていること。これについて科学的な評価をして、たくさんの人にわかりやすく数値化できないものか?

そんな研究がアロマセラピーの世界では少しずつ進んでいます。

今回はそんな研究事例を1つご紹介します。

ストレスが免疫に影響する可能性

私たちは「ストレス」が健康に影響することを知っています。ストレス過多になると免疫力が低下し、病気にかかりやすいと言われます。

また、加齢も免疫力低下の一因と考えられています。

そんな中、ストレスを軽減することで免疫に良い影響を与えることができないか?を調べるための実験が行われました。

調査方法

高齢者48名を各16名ずつ3つのグループに分けて、以下の通りケアを行い比較する。

  • 1群:ラベンダー精油を使用したアロマトリートメントを実施
  • 2群:精油なし(ホホバ油のみ)でトリートメント実施
  • 3群:トリートメント実施なし

補足:トリートメントというのは、マッサージオイルを使用し人の手で行うマッサージのことです。

1群で使ったのは「ラベンダー精油+オイル」アロママッサージオイル。

2群はラベンダー精油なしの、ただのホホバオイルでのマッサージ。

3群はマッサージなしです。

これを「週1回、45分間」で3ヶ月継続して行いました。

その結果、1群(ラベンダー精油を+ホホバオイルでトリートメントを受けたグループ)でNK細胞活性値が有意に上昇する、という結果がえられました。

出典:
論文「『香り』を媒介としたケアによるストレス軽減と免疫賦活効果の検討」伊藤あづさ(日本味と匂学会誌,Vol.9 No.3,P.619-622,2002年12月)

NK細胞とは?

NK(ナチュラルキラー)細胞とは、免疫細胞の一種です。その名の通り、まさに「殺し屋細胞」。

私たちの体内で毎日生まれるがん細胞、ウイルス感染細胞などを見つけ次第速やかに攻撃してくれます。

健康な人でも、がん細胞は一定数生まれます。それが大きな病気になる前に、体の中で排除されるシステムになっています。

犬たちも、アロママッサージが実は大好き

精油を加えたマッサージオイルを使って、体を優しくハンドトリートメントすることがNK細胞の活性化につながる可能性、というのは興味深いものです。

今回ご紹介した実験は人間で行われたものですが、犬たちも実は、マッサージが大好きです。

犬の場合、全身を毛が覆っているので人間のように広範囲にマッサージオイルを塗って、と言う必要はありません。

手につけたマッサージオイルを軽く胸の辺りに伸ばして呼吸から自然に犬が香りを楽しめるようにします。

アロマセラピーが体に与える良い影響を、健康管理に生かそう

アロマセラピーの影響力を数値化し、誰にでもわかりやすい結果として表すには
まだまだたくさんの研究が必要です。

でも、少しずつですが何がどう言う場合に効果的か?ということがわかってきている。

なのでこう言う実験結果も、上手に私たちの生活に、犬たちにも取り入れていければ良いと私自身は考えています。

アロマセラピーは、誰でも手軽に始められる、犬と人間が一緒に楽しめる「セルフケア」です。

マッサージオイルの作り方、使い方をこちらの記事にまとめてあるので、興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

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