AEAJ認定アロマテラピーインストラクターの諸橋直子です。
現在、Office Guriでは「作ってみよう、アロマクラフト!」をテーマに、初心者向けのアロマ入門講座を企画中です。
アロマテラピーは、植物から抽出される「精油」を使った自然療法です。このため鋭い嗅覚を持つ犬とはとても相性が良く、Office Guriではメルマガなどを通して、かれこれ10年ほどアロマを犬におすすめしてきました。
また、私自身公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクターの資格保有者です。プロフェッショナル資格に基づき、犬と飼い主さんに、安全にアロマテラピーを楽しんでいただき、健康増進やストレスケアに役立ててもらう活動を行ってきました。
ところで最近に「好きな精油をとりあえず、手当り次第色々買ってみよう」とまとめ買いする機会がありました。気になっている香りを試して、新しい製品を開発しよう、という気軽な気持ちで購入した次第です。
その中で「お?」と、キラリと光る精油がありました。
香りが良いのはもちろんですが、犬にも良い効果が色々と期待できる精油なのです。
犬と飼い主さんの生活空間を爽やかに保つのにも役立ちそうです。
要は「色々使えそう」ということです。
では、その精油とは?
それは、ベルガモット(FCF)という精油です。というわけで、今回は「ベルガモット(FCF)」精油についてお話していこうと思います。
ベルガモットの「FCF」とは?
ベルガモットは柑橘系の植物です。紅茶のアールグレイは、ベルガモットで着香したものです。少し苦味のある、爽かな柑橘系の香りが特徴です。
さてこのベルガモット精油、ベルガモット果実の「皮」から取られるのですが化粧品やクリームなど直に皮膚に触れる製品に使用されることはわずかでした。
理由はその成分にあります。
ベルガモットには「ベルガプテン」という成分が含まれます。この「ベルガプテン」、通常は無害なのですが紫外線に当たると皮膚を刺激し、かぶれや腫れを起こす厄介者として知られます。
そのためベルガモットの香り自体は素晴らしいのに、クリームや化粧水など直接肌につけるタイプの化粧品には、ほとんど用いられることがありませんでした。
さて、ここで勘の良い方はお気づきになったと思いますが「用いられることがありませんでした」というのは過去形です。
というのは、現在ではこの「ベルガプテン」を除去した「ベルガプテン・フリー」と呼ばれる精油が、広く一般に流通しているからです。
この「ベルガプテン・フリー」の精油が「FCF(フロクマリン・フリー)」と表記される次第です。
*ベルガプテンは「フロクマリン類」に分類されるため、「FCF(フロクマリン・フリー)」という書き方になります。
では、この「FCF(フロクマリン・フリー)」になると、なにが良いのか?犬にベルガプテンによる皮膚炎が起こる心配がないため、使うことができます。これはとても、嬉しいことです。
ベルガモット(FCF)の、犬へのメリット
ベルガモット(FCF)精油は、犬にとって様々なメリットがあります。
具体的には以下の通りです:
- ストレス解消
- リラックス
- リフレッシュ
- 安眠
- 消臭、空気清浄
- 防虫
こうしてみると、犬に役立つ効能が多くあります。
少し苦味のある香りは甘すぎず、爽やか。成分的には
- リモネン
- β-ピネン
といった、テルペン系炭化水素が約半分を占めます。特にリモネンは全体の約4割を占める、含有量の多い成分です。高い鎮静作用、リラックス作用を持つことで知られます。
また、同様に鎮静作用を持つ酢酸リナリル、殺菌、抗菌、抗ウイルス作用を持つリナロールなど、犬にメリットのある成分をバランス良く含みます。
犬にアロマテラピーを用いる理由は様々ですが
- リラックス
- 清潔
が、基本の2大柱となります。その点、ベルガモットは実によく使える精油といえるでしょう。
その上、懸念事項である「ベルガプテン」も除去済となれば、もう使わない理由がない、というほど犬におすすめの精油が
- ベルガモット(FCF)
なのです。
というわけで、犬にベルガモット(FCF)精油がおすすめな理由はご理解いただけたでしょうか?
Office Guriで現在、企画中の講座では、このベルガモット(FCF)を実際に使用したスプレー制作、アロマストーンを使った芳香浴など「クラフト」を通じて実際に、「使ってみる、作ってみる」を重視していく予定です。
是非楽しみにしていてください。
次号の記事では「初心者が一番簡単に、犬とアロマを楽しむ方法は?」について、解説します。