犬用アロマスプレーの作り方(2)

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AEAJ認定アロマセラピーインストラクターの諸橋直子です。

前回に引き続き、「犬用アロマスプレーの作り方」について解説していきます。

前回の記事では、以下のように書きました。

ブラッシングに使用するのであれば、ある程度ブラシ通りを滑らかにしたい、という要望があるはずです。

また、スプレー内に均一に精油を拡散することも大事なポイントです。

精油は基本的に「油」です。
なのでそのままでは水には溶けないですし、良いスプレーの条件は「精油成分が均質に水に混じり合っていること」です。

ブラシ通りを滑らかに
精油を均質に水に混ぜるには?

この2つをどうクリアしていくか?について、次回解説していきます。

この2つの問題について、具体的な解決方法をお話ししていきます。

アロマスプレーに加える、2つの基材

問題解決のために使用する2つの基材について、紹介していきます。

ブラシ通りを滑らかにするには? | グリセリン

摩擦を少なくするために、オプション基材をプラスすることでブラシ通りが良くなります。

初心者の方におすすめなのは「グリセリン」です。

グリセリン」はパーム油から作られる、無力透明の液体です。匂いもありません。保湿効果が非常に高く、乾燥によるひび割れの治療にも用いられます。

指定医療部外品として、ドラッグストアで気軽に購入できます。100mlで価格は500円前後です。

以下の製品は私も利用しているものです。ご紹介しておきますね。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【健栄製薬】グリセリン 100ML
価格:500円(税込、送料別) (2022/1/19時点)


余談ですが、「グリセリン」はギリシャ語で「甘い」を意味するglykys(グリキス)が由来になっています。実際になめると、甘いです。万一、犬が舐めてしまったとしてもまったく影響がない基材ですので、犬用スプレーにも、安心して使用できます。

そして、このグリセリンをほんの少量、スプレーに混ぜるだけでスプレーの保湿効果が高まります。ブラシ通りも良くなります。

注意点としては、少量で十分保湿効果があるので入れすぎないことです。あまり多く入れると、スプレー自体がベタベタとした感触になります。

様子を見ながら少しずつ加えて行くことがポイントです。

作る際は100mlのスプレーに対し、まずは1~2滴を加えることからスタートするのがおすすめです。

精油を均質に水に混ぜるには? | 無水エタノール

精油は油です。スプレーの本体は水。この2つをできるだけ、均質に混ぜたい。

この、本来混じり合わない2つを混ぜ合わせるのに使用するのが

無水エタノール

です。

無水エタノール」はアルコールの一種です。

手指の消毒で、日常的に接する機会も多いアルコールですが「無水エタノール」はエタノール濃度99.5%以上のものを指します。

似たような製品に「消毒用エタノール」があります。これはエタノール濃度76.9~81.4%のもの。

アロマセラピーの基材として用いるのは「無水エタノール」の方です。

いずれもドラアッグストアに並んで売られているため、購入時に

あれ?どっち買えばいいの?」

と迷う場合があります。

(実際に私は、はじめて買いに行った際迷ってしまいました。なので、ドラッグストアの薬剤師さんに質問して、丁寧に教えていただきました)

なので、初心者の方は間違えないように注意の上、「無水エタノール」を購入するようにしてください。

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健栄製薬 無水エタノール 500ML
価格:921円(税込、送料別) (2022/1/19時点)


100mlのスプレーを作る際、無水エタノール10mlに対し、水90mlの比率を基本とします。

スプレー容器に無水エタノールを入れ、そこに精油を加え手早く混ぜます。混ざったら水を加えて、更に良く混ぜます。

これで出来上がり、ですが使用前にもよく振ることが大切です。

ちなみに、「犬にアルコールを使うのは抵抗がある」という方は「無水エタノール」を使わなくてもOKです。

ただし、使用前にスプレーを「よく振る!」というのは忘れずに行ってください。無水エタノールを加えていない分、精油と水がより分離しやすいためです。

香りも使用感も自由自在、犬とアロマセラピーを楽しもう

私自身はアロマセラピーインストラクターという仕事上、様々な精油に触れる機会があります。

精油の世界は実に奥深く、香りの種類も多様です。それぞれの精油が持つ効能も違います。

こうした豊かな精油の恩恵を、自分だけが享受しているのは、なんだかもったいない…ポイントを押さえれば、犬と一緒に楽しめるのに。

そんな思いが、私自身の「ドッグアロマセラピー」出発点です。

犬は精油に対する代謝経路が人間と近いため、刺激の強い成分を含むものを除けば、十分人と一緒に楽しめます。

*猫はその点、全く違うので基本的にアロマセラピーはおすすめしません。犬以外の動物についても同様です。このWEB記事上の情報は、あくまで人と犬が安全に楽しむためのものですのでご理解の上、活用してください。

ちょっとした不調や緊張感を和らげる、良い香りに包まれてリラックスする、こうした家庭でできる、手軽な「セルフケア」として、多くの飼い主さんに、犬のアロマセラピーを知っていただければ幸いです。

次号では、犬と楽しむアロマセラピー「アロマの肉球クリーム」についてお話をします。どうぞお楽しみに。

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