犬におすすめ、ちょっと高価ですが「ローズ」精油の話(1)

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AEAJ認定アロマテラピーインストラクター:諸橋直子です。

さて、今日のテーマは

アロマテラピーの中でもローズ精油は香りもよく、価格もお高めで別格。
 犬にとても良いものなので、犬のストレスケアやスキンケアに使ってみたいなあ

という方向けに「ローズ」をピックアップしてお届けします。

我が家でもローズは犬用グルーミングアイテムとして活躍しています。その理由は?というと:

  • まず香りが別格です
  • 老犬の乾燥した被毛にも良い
  • 鎮静作用があるため、犬のストレスケアに最適である

実際にローズは古代ローマ時代に、香油や軟膏など医薬品として扱われてきた歴史があります。

そのため現代に生きる私たちが、愛犬の健康管理やストレスケアにローズを用いることは理にかなっているといえます。

というわけで、犬に心からおすすめの精油「ローズ」の薬理作用やや利用法について解説していこうと思います。

精油の中でも「花の女王」と呼ばれる「ローズ」の伝統的利用法。古代ローマからイスラーム世界まで幅広く。

すでに述べたように、古代ローマ時代からすでに「ローズ」は利用されていました。香りの良さを楽しむだけでなく医薬品として使われたと、博物学者プリニウスはその著作『博物誌』で述べています。

「薔薇の香油は軟膏になり、それ自体が医薬の性質を持つ」

このほか、耳、口の潰瘍、扁桃腺、胃、子宮、直腸の疾患、頭痛などへの効果が記載されています。

時は下り、10世紀。ペルシャの哲学者で医師、科学者でもあったイブン=シーナが、臨床医学に必要とされる知識を『医学典範』という書籍にまとめました。

その中に「ローズ」を利用した処方が多く記載されています。

頭痛や発熱、トラウマにローズオイルを使用する。

唇のひび割れや炎症にローズオイルと卵白を混ぜたものを塗る。

腹痛と腸の病気への処方、外用薬としてやけどにローズオイルを塗る。

などなど。

フケやシワ、抜け毛などにもローズが利用されていたという記載もあり、その幅広い利用法は現代人の目から見ても驚かされるばかりです。

「ローズ」の一大生産地、ブルガリアでの利用法

ブルガリアは「ローズ」の一大産地として知られます。

古くから「ローズ」を栽培し身近に接していたブルガリアでは、「ローズ」を家庭の薬として利用してきた伝統があります。

眼病への効果が特に有名で、そのほかにも精神のバランスを取る作用、皮膚疾患、頭痛、湿疹、口内炎などにも利用されてきました。

こうした背景から現代ブルガリアでは、これらの効能についての科学的研究が盛んに行われています。

その成果の一例として

  • ローズオイルので中枢神経抑制作用
  • ローズ精油の抗菌作用
  • ローズの抗寄生虫作用

などが明らかになっています。

「ローズ」の成分をみてみると?

さてここで「成分」についても見ていきましょう。代表的な成分2つについてご紹介します。

  • シトロネロール
  • ゲラニオール

シトロネロール

ローズ」の甘い香りを生み出す、抗炎症作用、鎮痛作用、抗菌作用、抗真菌作用、抗寄生虫作用をもつ成分です。

ゲラニオール

ローズ」の甘さを作り出す成分です。抗菌作用、静菌作用、鎮痛作用があります。

さて、大切なことをここで改めて述べますが精油は医薬品でありません

現代では優れた医薬品が多数存在します。そのため病気の治療には、動物病院で医師による診断と適切な投薬治療を受けることが大切です。

一方古来、医薬品として、民間療法として利用されてきた「ローズ」を家庭で犬の健康増進やストレスケアに用いることは、犬に対して大きなメリットがあります。

また精油の多くは作用が穏やかで、適切な量と利用方法を守れば犬に対して安全に使用することができます。

まとめるとこのように成分を見ても犬にメリットが多い上に、香りが素晴らしいローズ精油をぜひ多くの犬さんたちのスキンケアストレスケアリラクゼーションに使っていただきたい。そんな思いで今回ご紹介させていただきました。

ではこの「ローズ」。犬の安全に楽しんでもらうためには、どのような使い方があるのでしょうか?

これについて、次号の記事でご紹介しようと思います。興味のある方はぜひ楽しみにお待ちください。

ローズ」についてはこちらの記事にもまとめてあります。ぜひ参考にしてください。

犬におすすめ「ローズ」の精油 | 犬とアロマテラピー
この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
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