こんにちは、AEAJ認定アロマセラピーインストラクターの諸橋直子です。今回は「アロマで行う肉球ケア」についてお話ししていきます。
家庭できる犬のアロマケアシリーズ、前回の記事はこちら→「犬用アロマスプレーの作り方(2)」。
犬の肉球ケアには市販の「保湿剤」を塗る(ワセリンなど)というシンプルな方法もありますが、Office Guriでは「アロマの肉球クリーム」をおすすめしています。
その理由は後半に触れることにして、まずはそもそも何故、犬の肉球ケアが必要か?という理由について解説しておきます。
肉球ケアが必要な理由:3つのトラブル原因から犬を守る
犬の肉球は直接地面に触れるので、かなり丈夫にできている一方、一度乾燥し、ひび割れが起きると歩行に支障が出る、デリケートなパーツでもあります。
実際に、この記事を読んでいる読者の皆さんご自身が、かかとが乾燥し、深いひび割れができたところを想像してみてください。
かなり痛そうですよね?
その状態で、歩くことを想像すると更に痛いと思います。足の動きに合わせて、ひび割れがピシ!ピシ!とより深く、真皮まで侵入してくるような痛さは、苦痛以外の何物でもありません。
犬も一端、肉球にヒビが入るとこのような苦痛を味わう羽目になります。
肉球が傷む原因は様々ですが
- 洗いすぎ
- 摩擦
- 加齢
の3つが代表的です。
1 | 洗いすぎ
散歩から帰宅後、犬の足を洗うご家庭は多いと思います。しかし、ここで脱脂作用の強すぎる石鹸やシャンプーを使うと肉球を本来保護すべき、必要最低限の皮脂まで洗い流してしまいます。
皮脂というバリアを失うと、皮膚はどんどんその中の水分を蒸発させてしまいます。結果として、肉球の乾燥が進み、ひび割れがおこります。
犬の足を清潔に保つこと自体は悪いことではありません。人と生活空間を共有している以上、必要なことだとも言えます。
それならば、洗ったあとに保湿をしっかり行いましょう。私たちが洗顔後にローションや乳液を使用するように、犬の足を洗ったあとは、油分を補う必要があります。
2 | 摩擦
アスファルトを歩くのと、土や草の上を歩くのでは、アスファルトの方が肉球が擦れやすくなります。
夏はそこに「熱」が加わるため、アスファルトを散歩する犬の肉球は、私たちが思う以上にダメージを受けています。
そのため、やはり散歩後の保湿がダメージケアになります。可能な範囲でアスファルトを避け、草地や土の上を歩かせる工夫も有効です。
3 | 加齢
歳を取ると肌に含まれる水分量が減り、カサつくのは犬も人間も同じです。その中でも地面に直接触れて日々使われる肉球は、乾燥が現れやすいパーツです。
人間はこうした場合、年齢に応じた潤い化粧品を利用できますが、犬にはそうしたものはありません。
そのため飼い主が肉球の乾燥具合をチェックし、必要に応じて保湿ケアを行う必要があります。
大事なのは「保湿」
さて、ここまでお読みくださった読者の方はすでにお気づきと思いますが、ポイントは
「保湿」
です。
油分を補い、必要な水分は肉球内にしっかり閉じ込めてキープする。皮膚にしっかりと「油分」でフタをすることが大切なんですね。
犬の肉球ケアにも「楽しさ」と「選択肢」を
「ふむふむ、犬の肉球ケアが必要な理由はわかりました。でもそこで、何故アロマクリームなのですか?」
そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。なので、ここからはこの記事の冒頭でも述べたとおり
「何故、アロマの肉球クリームがおすすめなのか」
という理由をお話ししていこうと思います。
きっかけは「ハンドクリーム」
実は私自身、以前はさほど「ハンドクリーム」に興味がありませんでした。しかしながら、残念なことに、加齢のため、最近は手の甲がよく乾燥します。
また、アルコール消毒が一般的になってから、手が荒れるようになり、ハンドクリームが手放せなくなった!という声も周りで増えてきました。
人間用のハンドクリームには様々な種類があります。もちろん、成分的に保湿効果の高いものが配合されている、という部分でも差別化されていますがもっとわかりやすい、ユーザー自身がハンドクリームを選ぶ理由は
「香り」
ではないかと思います。
実際私は、同じメーカーのハンドクリームを、保湿成分的には全く同じものを匂い違いで2種類持っています。
ドラッグストアのハンドクリームコーナーにも各メーカーの自信作が並び、まさに百花繚乱。このように人間の場合、数多くの選択肢があります。
一方で、この「選ぶ楽しさ」が、犬用のグッズとなると少ないのではないか?というのが、私自身が日常的に感じていることです。
「選択肢」がないから、作りました | アロマの肉球クリーム
犬も香りを楽しめて、なおかつスキンケアになる犬用クリームが無いなら作ってしまえ!ということで、Office Guriで過去に作ったのがこのシリーズです。
アロマの肉球クリームが生まれた背景
この製品を開発した背景は2つです。
「犬にもラベンダーやローズといった、自然な植物の香りを楽しんでほしい」
「ラベンダーやローズの持つ、スキンケア効果の恩恵を犬にも体験してほしい」
アロマセラピーの特徴は「香り」を通して、健康増進に役立てられること。
「これっていい匂いだな」と感じるのは「脳」ですが、実際にはこうした「いい匂いだな~」という「快」の感情以外にも、様々な作用が香りに「脳」へよってもたらされています。
ラベンダー
ラベンダーは成分的に「鎮静作用」を持つものを多く含みます。そのため「嗅ぐ」という行為を通して、たかぶった神経を鎮めたり、不安を和らげる作用が期待できます。
つまり「いい匂い」という一言で表される裏には
- 鎮静
- 不安感の軽減
などの具体的な作用があり、それが絡み合い「深いリラクゼーション」状態を生み出していると言えます。
ローズ(ダマスク・ローズ)
ローズもラベンダー同様、リラクゼーション効果の高い香りですが、その性質が少し違って
- 心を穏やかに高揚させる
- 緊張やストレスを和らげる
という方面に特に力を発揮する香りとされています。
スキンケア効果の高い精油の恩恵を、犬に
さらにいうと、ラベンダー、ローズ共にスキンケア効果の高い精油として、人間用の化粧品にも用いられています。このことからも、ラベンダーとローズは酷使される肉球ケアには、最適な精油といえます。
せっかく犬に使うものです。香りも楽しめて、犬の肌にも良いものが作れるなら、作ろう、使おう。
私自身が犬の肉球ケアにアロマクリームをおすすめするのは、こうした理由からです。
Office Guriの製品企画は基本、このような方針で行われています。
さらに犬の肉球ケアに最適な精油を求めて
ところで、ローズの肉球クリームを作った際「高級精油を犬用製品に使う」というポイントで、私はかなり満足していました。
実際、
「ローズなんて、私も使ったこと無いのに贅沢!と思いましたが、ローズの肉球クリーム良いですよね」
というお声も多数頂戴し、私自身もかなりこの点においては気が済んでいたはずでした。
しかし。
ローズの精油もそれなりに高級ですが、更にその上をいく精油を見つけてしまったのです。
いや、精油は値段が全てではありません。
でも、その精油は値段もさることながら、香りがとにかく素晴らしい。
加えて「天然の精神安定剤」の別名をもつほど、鎮静効果に優れており、ストレスケアには最適な精油なのです。
ローズもラベンダーも、精神を鎮める効果を保つ成分をもちろん含みます。しかしこの精油のリラクゼーション作用は桁違いと評価するアロマセラピストの方が実に多いのです。
その上「刺激が少なく」「保湿効果」もあり乾燥した犬の肉球のための精油なんじゃないの?と、うっかり思ってしまうような成分構成なのです。
その精油とは?
これについて、次回、更に詳しくお話ししようと思います。
何の精油だろう?と気になる方は、色々答えを想像しながらお待ちくださいね。