犬のストレス解消にアロマセラピー

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Office Guriの諸橋直子です。AEAJ認定アロマセラピーインストラクターです。

今回は「犬のストレス解消とアロマセラピー」についてお話していきます。

犬にとってのストレス

犬は私たちにとって大切な家族。このことは時に「犬を人間同様にみなす」という考えにもつながります。しかし、犬は人間とは異なる動物。良かれと思ってしていることが、実は犬にとってはストレスだった、という場合もあります。

こうした問題を防ぐために、犬と人間とでの「ストレスの原因となるもの」の違いを理解し、人間と犬が同時に幸せに、健康に暮らせる生活環境を整えることが必要です。

ストレスの種類

ストレスは以下の2種類に分けられます。

  • 精神的ストレス
  • 肉体的ストレス

犬の精神的ストレス

「精神的ストレス」と聞くと、私たち人間が人間関係に悩むような場面を想像します。しかし犬の場合、精神的ストレスとは「生命の危険」を感じる時です。

敵に遭遇した、食糧や飲み水が十分でない、自分の縄張りを荒らされているように感じる、不適切な気温といったことが犬にとってはストレスとなります。

また、犬はもともと「群れ」で生活する動物です。そのため近くに仲間がいないことをストレスに感じます。

犬の肉体的ストレス

体の痛み、病気の時に感じる不快感などが犬の肉体的ストレスに該当します。

ストレスは犬の体にどう影響する?

犬がストレスを感じると、体では様々な反応が起こります。その反応の一つが「ホルモンの分泌」です。代表的なのは以下の2つです。

  • アドレナリン
  • コルチゾール

アドレナリン

交感神経の働きを強めます。犬の体には交感神経と副交感神経があり、交感神経は「闘争の神経」とも言われます。

敵と戦うなど、緊張を強いられる場面で優位に働く神経です。心拍数を上昇させ、血圧をあげます。

これは生命を守るための正常な体の反応ですが、老犬などが心臓が弱った状態で過度なストレスにさらされると、急激な血圧上昇につながり、発作を起こす場合があります。

コルチゾール

ストレスにさらされると急激に分泌量が増えるホルモンで、免疫系、中枢神経系など広範囲に影響を与えます。

一時的に分泌量が増える分には問題ありません。しかしながらコルチゾールには免疫系を抑える働きがあるため、長期間ストレスにさらされると病気にかかりやすくなるというデメリットがあります。

犬のストレスサインを知ろう

犬がストレスを受けた時は、以下の反応が多く見られます。

  • 体の震え
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 自分の体を異常なくらい舐める、噛む
  • 攻撃性が高まる
  • 無駄吠え
  • 室内での問題行動(物を壊す、トイレの失敗が増えるなど)

こうしたサインが見られたら、生活の中で犬のストレスになっているものがないか考えてみましょう。可能な範囲でストレスの原因を取り除き、生活を整える音が大切です。

香りでストレスは解消できるのか?

犬も人も日常生活でストレスを感じる場面が多々あります。

適度なストレスは緊張感をもたらし、集中力を高めるなど良い点もありますが、過度なストレスは既に述べたように、病気の原因になる場合があります。

そこで手軽に行える犬のストレス解消法として「香り=アロマセラピー」が登場します。

「香りによるストレス解消」は現在、様々な研究が行われています。今回その中から2つの実験をご紹介します。

実験1 | ラベンダーの吸引でストレスが軽減

30名の健康な学生に数学の問題を解かせてストレスを与え、そのストレスがラベンダーの吸引によって軽減するかを調べる実験があります。

指標として唾液中の「ストレス・マーカー」(コルチゾール、クロモグラニンA)の濃度を測りました。

コルチゾール」は副腎皮質から分泌されるホルモンの一種。ストレスを感じると分泌され、10~20分ほど間に2~3倍となることで知られます。

唾液の中に「コルチゾール」が多いと、ストレスを感じているサインになるわけですね。

ラベンダーの香りを嗅ぐことで、これら「ストレス・マーカー」の濃度が有意に下がり「ラベンダーはストレス軽減効果を持っている」と考えられたわけです。(戸田ら、2008年)

ストレスによる負荷がかかると「コルチゾール」の分泌量が増えるのは犬も同様です。

2 | ラベンダーの香りで労働者のストレスが軽減

夜勤がある職種の方は、それだけでストレスが大きいと言われています。

19名の夜勤後の医療スタッフにラベンダーの香りを30分間嗅いでもらったところ、ストレスを解消することがわかりました。

この時用いられた指標は「血管内皮の機能」です。

「血管内皮」は血管の内側を覆う、薄い細胞の膜のこと。ストレスがかかるとこの「血管内皮」の機能が低下することが知られていますが、ラベンダーにはそれを回復させる効果がみられました。(吉川ら、2011年)

他にもラベンダーを用いた実験はいろいろ行われており、

  • ストレスケア
  • 疼痛ケア

に関する報告が多く見られます。

ラベンダーに関する報告が多いのは人気の精油で、一般に利用される機会が多いからです。

結論 | 香りでストレス解消は可能

「植物精油の香りを嗅ぐ」という行為はとてもシンプルです。薬の服用と比べると低リスク、しかも誰でも手軽に始められます。

以下に犬におすすめの「ストレス解消」の役立つ精油を3種類ご紹介します。

初心者の方は「ラベンダー」を。ティッシュペーパーに精油を2〜3滴垂らし、犬に嗅がせる「芳香浴」が手軽でおすすめです。

クラリセージ」はストレスで攻撃性が高まってしまった犬に。「ローズ」は甘い香りでリラックス効果が高い精油です。全てのストレスタイプの犬に向いています。

マッサージをプラスすると、さらに効果的

アロマセラピーにマッサージをプラスすると、犬をより深いリラックスに導けます。

マッサージについては以下の記事でご紹介しています。ぜひ参考にしてください。


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