Office Guriの諸橋直子です。今回のテーマは「香りの力で犬を健康に」です。
香りはどう、犬の健康に働きかけるのでしょうか?
これについてお話しするために、この記事では筆者自身の「香り」との出会いまで遡ってお話しさせていただきます。
香りとの出会い
私は公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)認定のアロマセラピーインストラクターです。
資格をかれこれとって15年ほど。香りとの付き合いは、私自身、そして我が家の犬たちも含めて結構な長さになります。
「香り」に私自身が興味を持ったきっかけを簡単にお話しします。
20代後半。当時、今で言うところのブラック企業に勤めていた私は、毎日家に帰るのが日付をまたいでからという生活を送っていました。
家で数時間寝て、まだ重い体を抱えて朝8時には再び出勤。
20代だったのでまだ無理がきいていましたが休日はただ家で寝ているだけ。20代の女性らしい綺麗な服を着て出かけるなどの楽しみも、気力が湧かず全然できない状態。
このままじゃあだめだよね…と、何か元気になれるものはないか!とあれこれ試しました。そのとき出会ったのが
「フレグランスオイルをお風呂に入れて香りを楽しむ」
こと。
雑貨屋で購入したココナッツのフレグランスオイルをバスタブに垂らしてみました。そして甘い香りに包まれてお風呂に入るとほわ~っと緊張がほぐれて、今まで経験したことのない心地よさ。
ちなみにフレグランスオイルはお風呂に入れてはいけません。当時は知識もなかったので、何も考えずそういう使い方をしていました。しかし合成のフレグランスオイルは入浴剤がわりにお湯に垂らして、直接肌につくような使い方には向きません。
とはいえ、はー、甘い香りって疲れが取れるんだな~!というのを初めて実感したのがこのバスタブでのココナッツの香りでした。
結局、そのブラック企業を早々に退社。数年後に「犬の健康をテーマに、何か自分で仕事を始められないかな」と思い立ち準備期間に入ります。
その際、真っ先に取得したのが先ほど述べた「アロマセラピーインストラクター」の資格です。
アロマセラピーは犬にも良い?
その後、犬の健康に関する勉強をいろいろ進めていくのですがある講座のテキストで
「犬のアロマセラピー」
という項目を見つけました。
「え?アロマセラピーって犬にも良いの?」
テキストを読み込んでいくと、いくつかの注意事項、使用量を守り適切に使用することで犬の体にも、メンタルにも良い影響を与えるとのこと。
特に吠え出すと止まらないなどの「問題行動」を抱えている犬には鎮静作用を持つ精油の香りを嗅がせることで、無駄吠えを減らせることがある、ということを知りました。
無駄吠えの多くは「恐怖」からくるもの。
その恐怖を和らげ「怖がらなくて良いよ」というのを神経を鎮める作用を持つ精油を通して伝える。
ラベンダーやカモミール・ローマンがこの場合適しています。
でも、香りにどうしてそんなことができるのか?
その理由は、香りの刺激は鼻の粘膜を通して電気信号に変わり、脳の大脳辺縁系に直接伝わるからです。
大脳辺縁系には「視床下部」と呼ばれる部位があります。ここは感情、自律神経、ホルモンの調整を行う重要な場所。
そこに香りの刺激が伝わることにより神経のたかぶりや、自律神経の乱れを調整する作用も期待できる。
このあたりは人間も犬も一緒なんだなあ!と驚きました。
それ以来、犬のアロマセラピーについても専門知識を学び現在に至ります。
「匂い」は多くの生物が進化させてきた、優れた感覚
「匂い」は私たち生物が、身を守るため、命をつなぐ食べ物を得るため、子孫を残すために利用し、進化させてきた優れた感覚です。
犬の散歩をしていると、ある箇所に立ち止まり真剣に匂いを嗅いでいることがあります。
あれは他の犬からのサインや、他の動物の情報を、犬が「匂い」を通して確認している姿です。
犬は私たちのように、言語を介したコミュケーションはあまりしません。でも犬を見ていると、その分「匂い」でお互いを知ったり、周りの環境を理解するということを日常的によく行なっています。
この「嗅覚」を犬、そして私たちのストレスや不安を和らげるのに、利用できるとしたらどうでしょうか?
私たちは基本的に、犬とは話せません。(犬の側は私多態の言語をよく理解しているように見えます。でも犬の側から「言葉」を使って話しかけてくることはありません)
でももし、同じ空間で「香り」を共有することで心地よさ、楽しさを一緒に感じることができるとしたら。
これはとても素敵で楽しいことだと思いますが、この記事を読んでいるあなた自身はどう感じますか?
今日はこれについて、是非考えてみてくださいね。