「犬にマッサージをするといいって聞いたけど、どうやってやるの?何から始めたらいいの?準備は何をすればいい?」
Office Guriの諸橋直子です。日本ペットマッサージ協会認定ペットマッサージセラピストの有資格者です。
今回は犬のマッサージに興味を持った方向けに、この記事では「マッサージを行なう前の準備・基礎知識」として「マッサージを行うメリット」を解説します。
犬のマッサージのメリットを知ろう
マッサージはたくさんのメリットがあります。
- 皮膚刺激を通して犬の脳をリラックスさせる
- 筋肉の緊張をほぐす
- 血行促進
- 犬と飼い主さんの絆を深める
1.皮膚への心地い良い刺激は脳に伝わる
皮膚は犬にとって最大の臓器です。「臓器!」と書くとびっくりする方もおお食いますが皮膚は立派な臓器です。
臓器というと、体の中に収まっているものを想像しますが、皮膚は外界と直接触れるという意味で少し特殊です。
皮膚は暑さ・寒さ・暖かさ・冷たさなどの温度を感じます。またものが触れれば「押された」「引っ張られた」という外部からの圧力も感じます。
犬の皮膚にはたくさんの毛が生えています。
毛の流れに沿って撫でられると犬は心地よいと感じます。逆に、毛野な上がれと反対方向に撫でられるとぞわぞわします。これは人間でも同じことを想像するとわかります。
このように毛は、皮膚に対して与えられる刺激を脳に伝える役割も果たしています。言い換えると、私たちが正しいやり方で「犬が心地よいように」マッサージを行なうとその刺激は毛や皮膚に伝わり、犬の脳をリラックスさせます。
マッサージによって分泌される幸福ホルモン「オキシトシン」
人が家族や動物とのスキンシップを行なうと、脳の視床下部という部分から「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。このホルモンが分泌されると、闘争心や恐怖心が減少し、相手への信頼が増すことが知られています。
ペットとのふれあいは人間のオキシトシン分泌を促すことがわかっていますが、近年の調査では、飼い主に関心を向けられた犬の側でもオキシトシンの分泌が促されることが知られています。
参考:人と犬のより良き関係に関する生理学的研究 : 相互コミュニケーションにおけるオキシトシンの役割
マッサージは犬・人相互にメリットがあり、幸福感を共有できるヘルスケアです。
2.筋肉の緊張をほぐす・血行促進
マッサージで筋肉を刺激することで、緊張をほぐすのに役立ちます。
また、筋肉への刺激は血流を改善する効果も期待できます。
運動の後、体を使った後はもちろんですが、寝たきりで体をあまり動かせない老犬にとっても、マッサージは良い刺激になります。
寝たきりで起こりやすい筋肉のこわばり、血行不良の改善にもマッサージは役立ちます。
3.犬と飼い主さんの絆を深める
犬は体に触れられるのを好む動物です。
また動物界でもマッサージは自然に行われています。犬は生まれた直後から離乳するまでの間は、母犬によく面倒をみてもらいます。その際、母犬は子犬の体をよく舐めます。
母犬が子犬を舌で舐めることは、マッサージと同じ行為です。母犬が子犬をよく舐めることで、子犬のストレス耐性が高まる可能性を示す研究もあります。
参考:Influence of morning maternal care on the behavioural responses of 8-week-old Beagle puppies to new environmental and social stimuli
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0168159116301332?via%3Dihub
犬は幼犬期に兄弟姉妹たちとじゃれあって遊ぶうちに、お互いに体を押しあいマッサージをしているような行動を見せることもあります。
犬にとってマッサージはごく自然で心地の良いものだと考えることができるでしょう。
そのマッサージを飼い主が施してくれることで、犬は飼い主への信頼感を強めます。
また飼い主は体を委ねて心地よくマッサージを受け入れる犬を見て、犬にアチする愛着が強まります。
マッサージは犬・飼い主間の相互の信頼関係を深めるのに役立ちます。
マッサージのメリットを理解した上で始めよう
マッサージが犬にもたらすメリットを理解したら、早速マッサージを始めてみましょう。
簡単なマッサージを動画で解説した記事をご紹介しておきます。ご覧になってみてください。