AEAJ認定アロマテラピーインストラクターの諸橋直子です。今回は、犬のアロママッサージやリラクゼーションにおすすめの、使いやすい精油5種をご紹介します。
犬のアロママッサージにおすすめの精油5種
犬は優れた嗅覚を持つ動物です。そのため人間が楽しめる香りを、犬も一緒にその良さを享受できます。
この歳とでは過去、繰り返しお伝えいしていますが犬にアロマテラピーを行う際は、基本的な安全の注意事項を学んだ上で行うのが大切です。
安全についてのお話は電子書籍にまとめてあるので、興味のある方は参考にしてください。
ドッグアロママッサージを自宅学習するための無料テキスト(電子書籍)
https://aroma2.officeguri.com/
さて、数ある精油の中でも初心者向けで使いやすい、犬におすすめ精油を5種類、以下にご紹介します:
- ラベンダー(真正ラベンダー)
- ローズゼラニウム
- ローズAbs
- ネロリ
- フランキンセンス
ラベンダー(真正ラベンダー)
ラベンダーはリラクゼーションを誘う精油の代表です。香りも甘く親しみやすいため、初心者の方のはじめの1本としておすすめしています。
我が家の犬たちもラベンダーは好きなようで、ブラッシングスプレーもラベンダーにしています。
ラベンダーについてはこちらに詳しくまとめてあるので参考にしてください。
「犬に使って良いラベンダー、避けるべきラベンダー精油の話」も、併せてどうぞ。
ローズ・ゼラニウム
甘さの中に少し感じる香りです。
ダニが嫌う香りとしても有名で、Office Guriで販売中の虫よけブレンド精油にも必ず加えてます。
ゼラニウムのダニよけ効果や、皮膚の弾力回復、抗菌作用を目的としたブレンドに使われることが多いのですが、リラックスを促す香りとしても優秀です。
気持ち高ぶり、イライラして眠れない…というときに、気持ちを鎮め、安眠効果が期待できる精油としても知られます。
眠りの浅い犬用の芳香浴ブレンドにおすすめです。
夜、寝る前にマッサージと組み合わせることで、犬の睡眠の質を高める効果が期待できます。
ゼラニウムのさらに詳しい解説は、こちらにまとめてあります。
ローズAbs.
ローズの精油は、優雅で甘く、幸せな香りがします。犬たちだけでなく、飼い主さんにもぜひ一度体験してほしい心からおすすめの精油の1つです。
「ローズAbs.」の「Abs」って何だろう?という方のために解説すると、まず「Abs.=アブソリュート」と読みます。
「アブソリュート」とは、言葉本来の意味は
『絶対的であるさま。完全無欠なさま。また、まじりけのないさま。(デジタル大辞泉)』
を指します。これが精油の場合、有機溶剤を用いた香り成分の抽出法を指します。
精油を植物から抽出するにはいくつかの方法があります。
例えば、ラベンダーは「水蒸気抽出法」という、材料を蒸気に当てて香り成分を抽出する方法を採ります。
この場合、高温の水蒸気に材料がさらされるため、熱に弱い成分は壊れる、変質するなどして失われます。
これはつまり、熱に強い香り成分のみが水蒸気蒸留法に向いていることを指すため、熱に弱い成分、繊細で変質しやすい成分の抽出には向きません。
という風に、その植物の香り成分は熱に弱いか、強いか?といった中身の性質から抽出法が決められるわけですが、ローズに関していうと抽出法は2つあります。
1つは水蒸気蒸留法、2つ目はアブソリュートです。
ちなみにこの2種類の精油、香りを比べると全く別物に思えるほど違います。
水蒸気蒸留法で抽出されたローズは、甘いはちみつのような香りが際立ちます。一方で、アブソリュートの方は、甘さに加えて、ローズと言われてイメージされる華やかさが全部そこで再現されたかのような
「まさにローズそのもの」
の香りがします。
アブソリュートの言葉本来の意味「完全無欠なさま」をまさに体現したような香りです。熱による損失がない分、原材料であるローズの持つ香り成分を、ほぼまるごと抽出できるためです。
また、水蒸気蒸留法と比べると同じ材料から取れる精油が遥かに多く、価格が比較的手頃なのも特徴です。
以前は「有機溶剤抽出法」の「有機溶剤」の部分が嫌われていましたが、現在では抽出法が洗練され、精油内に溶剤が残留がする心配はありません。
安心して使えて、香りもまるごとローズそのもの、価格も水蒸気蒸留法と比べるとお手頃である、ということから私自身は現在、犬、ヒトへの使用に「ローズAbs.」をおすすめしています。
(手頃とはいっても3mlで6,600円ほどするので、すごく手頃か?と言われるとそれはそれで微妙です。 参考価格:生活の木「ダマスク・ローズ」 https://onlineshop.treeoflife.co.jp/ec/pro/disp/1/084522450)
このようにローズは少し値の張る精油です。しかし同時に、犬にとって深いリラクゼーションをもたらしてくれる良い精油でもあるため、機会があればぜひ使っていただきたいです香りです。
Office Guriでは良いものこそ、利用しやすい犬のボディケア製品として気軽に使っていただきたいので、ローズ精油を使った製品を「ぐり石鹸ストア」で販売しています。
特に肉球クリームは初心者の方でも大変扱いやすいので、おすすめです。
ローズ | 犬用肉球クリーム
肉球にクリームを塗って保湿ケアをすると同時に、肉球マッサージをすると犬も心地よく受け入れやすいです。
マッサージに興味のある方はぜひ、肉球クリーム+肉球マッサージからスタートしてみてください。
ネロリ
価格の話が出たので、ネロリについても。ネロにも「価格的には決して可愛くはない」精油です。ビターオレンジの花から抽出され、3mlで9,350円ほどします。
しかしながら、その少し苦味の中に優雅な甘さを感じさせる香りは「天然の精神安定剤」とよく言われるほどの深いリラクゼーションに犬を導きます。
特にストレスによる精神的な不安、そこからくる消化器の不調を和らげる効果が期待できるため
繊細な性格の犬におすすめの香りです。
私自身はネロリの「ほろ苦さ」が好きなので、ブレンドする際は柑橘系の他の精油と合わせることで、苦味が引き立つよう甘さのバランスを調整するようにしています。
ネロリについては、生活の木で公開されている佐々木薫さんの「ネロラ公妃 アンナ・マリアが愛した香り」という記事がすばらしいので、ぜひ読んでみてください。
ネロリは犬にも安心して使える精油の一つです。この素晴らしい香りをぜひ、犬たちのマッサージタイムに加えていただければと思います。
フランキンセンス
古来より寺院での捧げものとして使用されてきた貴重な香料であるフランキンセンス。スパイシーな中に僅かな酸味があり、心落ち着く香りです。
イライラや心の乱れを鎮める香りとして珍重されて来たフランキンセンスは、犬にもおすすめの香りです。
単独で使用するよりは、ローズやカモミールローマンなどのフローラル系の香りとの相性が良く、ブレンドすることでお互いに良さが引き出されます。
ディフューザーで香らせる、マッサージオイルにブレンドするなどして犬のマッサージタイムにフランキンセンスを使用することで、犬に心地よいリラクゼーションタイムをプレゼントすることができます。
犬のアロママッサージ、難しく考えすぎずにまずはやってみよう!
犬にアロママッサージ?というと、初心者の方は躊躇することが多いのですが、いい香りをかぎながら、飼い主さんに揉んでもらうことはあ、犬にとっては最高の癒やしなります。
なので、まずは簡単にマッサージだけでも良いのでやってみてください。
そして
「犬のアロママッサージを、できればしっかり学んでみたいし アロマについても基礎を学んで、自分の犬に合わせて香りのブレンドなんかをしてみたいなあ」
という飼い主さんのために、オンラインで学べる犬のアロマ基礎講座をご用意しています。
この講座の詳細について次回詳しくお話ししますので、興味のある方はぜひ楽しみにお待ち下さい。